「医療用ウィッグってどんなもの？」「人毛ウィッグって実際どうなの？」初めて医療用ウィッグの購入を検討する際、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、医療用ウィッグの基礎知識から、人毛ウィッグと人工毛ウィッグの違い、メリット・デメリット、選び方のポイントまで詳しく解説します。アデランスやアートネイチャーなど、様々なメーカーから販売されている医療用ウィッグの中から、自分にぴったりのウィッグを見つけるための参考にしてみてください。

医療用ウィッグとは？

医療用ウィッグの定義と必要性について紹介

医療用ウィッグとは、がん治療による脱毛や円形脱毛症、 alopecia areata (AA) 、抜毛症などの症状によって髪を失った方をサポートするために作られたウィッグです。見た目を補うだけでなく、精神的な安定や社会生活を円滑に送るための重要な役割を担っています。
治療による副作用で起こる脱毛は一時的なものから長期的なものまで様々ですが、医療用ウィッグは、このような状況においても自信と希望を与え、前向きな気持ちで治療や生活を送る助けになります。

医療用ウィッグが必要とされるケース

●抗がん剤治療による脱毛
●放射線治療による脱毛
●円形脱毛症
●抜毛症
●火傷や外傷による脱毛
●先天性の脱毛症

人毛ウィッグと人工毛ウィッグの違い

医療用ウィッグには、大きく分けて「人毛ウィッグ」と「人工毛ウィッグ」の2種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、ライフスタイルや希望に合わせて選ぶことが大切です。

項目	人毛ウィッグ	人工毛ウィッグ
自然さ	最も自然な見た目と質感を再現できる	人毛に近づけた製品も増えているが、人毛ウィッグと比べると自然さに欠ける
スタイリング	コテやアイロンの使用が可能で、アレンジの自由度が高い	熱に弱いため、コテやアイロンが使えない製品が多い
耐久性	丁寧なケアが必要で、人工毛ウィッグに比べると寿命が短い	比較的耐久性が高く、お手入れも簡単
価格	高価	比較的安価

人毛ウィッグのデメリット

医療用ウィッグの中でも、人毛ウィッグは自然な見た目や風合いが魅力ですが、一方でいくつかのデメリットも存在します。ここでは、人毛ウィッグのデメリットについて詳しく解説していきます。

コスト面での負担

人毛ウィッグは、人工毛ウィッグと比較して価格が高い傾向にあります。これは、人毛ウィッグの製造過程において、高品質な人毛を厳選し、高度な技術で加工する必要があるためです。
人毛ウィッグの価格帯は、長さやスタイル、メーカーなどによって異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度が相場となっています。ウィッグの購入費用に加えて、定期的なメンテナンス費用も考慮する必要があります。

高額になりがちな理由

●希少価値の高い人毛を使用している
●高度な技術を持つ職人が手作りで製作している
●品質管理に手間とコストがかかっている

これらの要素が重なることで、人毛ウィッグは高額になりがちです。しかし、その分、自然な仕上がりや装着感の良さ、スタイリングの自由度など、多くのメリットも期待できます。

手入れとメンテナンスの手間

人毛ウィッグは、自分の髪と同じように、毎日のブラッシングやシャンプーなどのケアが必要です。人工毛ウィッグと比べると、手入れやメンテナンスに手間と時間がかかる点がデメリットと言えるでしょう。丁寧なケアを怠ると、ウィッグの劣化を早めたり、風合いを損なったりする可能性があります。

具体的なケア方法

●ブラッシング：ウィッグ専用のブラシを使用し、毛先のもつれを優しく解きほぐします。
●シャンプー：ぬるま湯で優しく洗い、ウィッグ専用のシャンプーとコンディショナーを使用します。
●トリートメント：定期的にトリートメントを行い、毛髪の潤いを保ちます。
●乾燥：風通しの良い場所で陰干しします。ドライヤーを使用する場合は、低温設定で行います。

これらのケアを適切に行うことで、人毛ウィッグの美しさを長く保つことができます。

購入時の注意点

人毛ウィッグは高価な商品であるため、購入する際には慎重に検討する必要があります。信頼できる販売店を選び、品質や保証内容などをしっかりと確認することが大切です。

信頼できる販売店選びのポイント

●豊富な品揃え：様々な種類の人毛ウィッグを取り扱っているか
●丁寧なカウンセリング：顧客のニーズや希望を丁寧にヒアリングしてくれるか
●試着の機会：実際にウィッグを装着して、サイズや色味を確認できるか
●アフターフォロー：購入後のメンテナンスや修理などのサポート体制が整っているか

これらのポイントを踏まえ、信頼できる販売店で購入することで、安心して人毛ウィッグを使用することができます。
また、購入前に口コミや評判などを参考にすることもおすすめです。

人毛ウィッグのメリット

医療用ウィッグの人毛には、人工毛と比較して多くのメリットがあります。ここでは、人毛ウィッグのメリットについて詳しく解説します。

自然な見た目と手触り

人毛ウィッグの最大のメリットは、なんといっても自然な見た目と手触りです。人工毛と比べて、光沢が抑えられており、人の髪の毛に近い自然な風合いを再現できます。
また、柔らかく滑らかな手触りも魅力です。ウィッグだと気づかれにくく、周囲に違和感を与えることなく、自然なスタイルを演出できます。

カスタマイズ性の高さ

人毛ウィッグは、パーマやカラーリングなどのヘアアレンジが可能です。人工毛では難しい、繊細なカットやパーマにも対応できるため、自分好みのヘアスタイルを自由に楽しむことができます。

メリット	詳細
パーマ	くせ毛風のアレンジやウェーブヘアなど、パーマをかけることで、より自然で動きのあるヘアスタイルを楽しめます。
カラーリング	髪色を変えることで、イメージチェンジを楽しめます。明るい髪色から暗い髪色まで、幅広いカラーリングに対応できます。

メンテナンスのしやすさ

人毛ウィッグは、適切なケアを行うことで、長期間使用できます。人工毛よりも耐久性が高いため、丁寧に取り扱えば、1年以上使用することも可能です。

お手入れ方法	詳細
シャンプー	人毛用のシャンプーとコンディショナーを使用し、優しく洗い、自然乾燥させます。
ブラッシング	ウィッグ専用のブラシを使用し、毛先のもつれを優しく解きほぐします。
保管方法	直射日光や高温多湿を避け、ウィッグスタンドにかけて保管します。

これらの適切なケアを行うことで、人毛ウィッグを長く愛用することができます。

医療用人毛ウィッグの選び方

医療用ウィッグを選ぶ際には、以下の3つのポイントに注意して選ぶと良いでしょう。

●自分に合うウィッグを選ぶ
●人工皮膚を使用したウィッグを選ぶ
●適切なサイズを選ぶ

また、医療用ウィッグは購入するタイミングも重要です。今すぐ医療用ウィッグが必要なのか、それとも治療を開始した後に使用するウィッグが必要なのかなど、使用時の状況によっても、医療用ウィッグの選び方は異なります。
ここでは、自然な髪型に見える医療用ウィッグの選び方を解説します。数多くある医療用ウィッグの中から、自分に合うウィッグを見つけるためにも、ぜひ参考にしてください。

人工皮膚が使用された医療用ウィッグを選ぶ

医療用ウィッグは、つむじや分け目の有無で、見た目が大きく変わります。とくに、オールタイプの医療用ウィッグは、つむじの髪の生え際がポイントです。人工皮膚が使用された医療用ウィッグの場合、頭頂部を自然に見せられるためおすすめです。
装着時に自然な髪型に見えるかどうか確認する際には、さまざまな角度から見て確認することに加えて、椅子に座ったりしゃがんでみたりと自然な動きをつけて確認するようにしましょう。

適切なサイズを選ぶ

医療用ウィッグをより自然な髪型に見せるためには、適切なサイズを選ぶことが重要です。サイズが合っていない場合、髪が浮いてしまい不自然に見えてしまいます。購入する際には、以下の方法を実践して、自身の頭のサイズを測っておくと良いでしょう。

●前髪の生え際から耳の付け根までを測る
●ハチマキするように一周を測る

紐に印を入れ、長さを測ると簡単に自分のサイズを知ることができます。なお、頭部のサイズを測る際には、首の後ろにある凹んだ部分（ボンノクボ）を通すことがポイントです。
適切なサイズの医療用ウィッグを選ぶことで、自然なシルエットに期待が持てるでしょう。

医療用ウィッグの種類について

医療用ウィッグには3種類あり、それぞれ特徴や価格が異なります。

	既製品	セミオーダー	フルオーダー
特徴	すぐに購入できる	好みの髪型ができる	自然な髪型にしやすい
価格	1～10万円	5～30万円	30～80万円
仕上がりまでの期間	すぐ	約1週間	約1ヶ月

事前に選べて好みの髪型やニーズ、予算に合わせた医療用ウィッグを探してみてください。なお、医療用ウィッグは価格も大切ですが、自然な髪型を手に入れたいなら、品質がよく自身がイメージする髪型に近いウィッグを探すことも重要なポイントです。
ここでは3種類の医療用ウィッグを紹介するので、購入時の参考にしてみてください。

既製品｜価格が安い

既製品の価格はさまざまですが、1万円から10万円までの予算で購入することができます。ネットやカタログから選び、手軽に購入できることが既製品の特徴です。
ただし、既に作られたウィッグであるため、実際に装着してみると髪の質や毛量、長さなどが、イメージに合わない可能性があります。既製品を購入する際には、サイズ調整が可能なウィッグや、人工皮膚が使われている医療用ウィッグを選ぶようにしましょう。

セミオーダー｜スタイルの希望が可能

セミオーダーは、既製品で8割程度まで作られているウィッグです。
相場5万円から30万円と価格の幅が広いことが特徴です。医療用ウィッグのセミオーダーのメリットは、主に下記の項目を選ぶことで自分好みの髪型を選ぶことができます。

●髪型のデザイン
●ウィッグのサイズ
●髪のカラー

好きな髪型にカットして、適切なサイズに調整してもらうことで、自然な髪型を維持できるだけでなく、装着感の良さも選ぶことができます。セミオーダーの医療用ウィッグを購入する際には、事前に既製品を試着してみてください。
髪型や装着感のイメージを持ったうえで購入すると、髪型や装着感の違和感で悩むことはなくなるでしょう。ただし、セミオーダーの医療用ウィッグは専門店で購入する必要があり、納期まで1週間ほどかかるケースがあります。

フルオーダー｜自分好みになる

フルオーダーで医療用ウィッグを購入する場合、特殊なカラーや髪質、ヘアスタイルなども自由に選んで依頼をすることができます。価格は30万円から80万円と既製品やセミオーダーと比較すると高額で、購入してから仕上がりまで30日以上かかる場合があるため注意が必要です。
また、高額なウィッグを購入したからといって、必ず長持ちする、自然な髪型になるということではありません。髪質やヘアスタイルの維持は、普段のお手入れが大きく影響します。フルオーダーの医療用ウィッグを検討する際には、お手入れ方法などもよく確認しておきましょう。

まとめ

医療用人毛ウィッグは、自然な見た目と手触りを実現し、頭皮への負担を軽減できるなど、多くのメリットがあります。
一方で、コスト面やメンテナンスの手間など、デメリットも存在します。ウィッグ選びは、自身のライフスタイルや希望に合ったものを選ぶことが大切です。頭皮の状態、 desired な髪色やスタイル、予算などを考慮し、最適な医療用人毛ウィッグを選びましょう。