医療用ウィッグの価格にはなぜ大きな差があるのか
インターネットが普及した現在、価格を比較する方法は
馴染みのない商品を購入するときにどうやって価格の比較をしていますか?
みなさんは自分にあまり馴染みのないものを購入するときに、その価格をどのように調べているでしょうか。
以前からある方法としては雑誌や書籍などを参考にして値段を調べるという方法もあります。また、実際に商品を店舗に見に行って値段を知るという方法もあるでしょう。また、最近ではインターネットを利用してその価格を調べるという方法も広く普及しています。
現在ではインターネットで価格を比較する人も多くいる
インターネット上には非常に多くの情報があります。その中にはある特定の商品についての価格を比較するサイトもあります。例えば自動車を購入したいと思っているときには車種・年式などが決まっているのであれば、その自動車がおおよそいくらぐらいで取引されているのかということを調べることができます。大手中古車販売業者のサイトをはじめ、その自動車を取り扱っている近くにある中小の自動車販売業者の店舗・そしてその自動車の価格を調べることができるでしょう。加えて、その自動車に近い自動車がいくらくらいかも確認することができます。
圧倒的に新品で購入することの多い家電などの場合、そこまで価格に差はないかもしれません。しかし、その性能の比較を行っているサイトを確認することによって、同じ価格帯の商品の中でどの商品が売れ筋なのかということを確認することはできるはずです。
また、実際に販売しているサイトを確認することによって価格以外のサービスの差、例えば壊れたときのアフターケアや送料がどう扱われるのかなどを比較することもできます。
中には実際に商品を店舗に確認しに行くものの、店舗から自宅に持ち帰る手間などを考えて、購入はインターネットで行っているという人もいるでしょう。
しかし、そうした比較サイトなどで多くの情報を得ることができるのは、一般的に取り扱いが多い商品だけです。それが用途の限られている商品である場合や市場において流通の少ない商品の場合、ある程度自分で情報を仕入れなければなりません。
医療用ウィッグは一般的な商品に比べて流通量が少ない
医療用ウィッグは現在では少しずつ取り扱いの増えてきた商品ではありますが、一般的に使用される方はまだ少ない商品です。そのため価格や商品の概要などについてあまり知らない人も多くいらっしゃいます。かつらと聞くと、昔の非常に価格が高かったイメージが強く、一般の方ではなかなか購入できないと考えている方が今でも多くいらっしゃいます。しかし実際は、技術の向上による代替粗大の開発やグローバル化による材料費や制作費の削減などによって一般の方でも十分に購入できる価格帯になっています。価格の大きな変化には、インターネットによって業界全体の宣伝広告費が削減されたことやネット通販などによって店舗費が抑えられていることもあるでしょう。
家電などに見るように、店舗で買うよりもネット通販で購入した方が安く購入できるものが多くあるのも事実なのです。
しかし、医療用ウィッグと家電では大きな違いがあるのも事実です。家電の場合は多くの商品が家電製造を行っているメーカーによって作られています。価格を単純に比較できるのは、同じメーカーが作った同じ商品であれば、どの店舗で購入しても同じ商品が届くという保証があるからです。
それに対して医療用ウィッグの場合、販売業者とメーカーが同じであることがほとんどです。つまり、同一のメーカーが作った商品の価格比較をすることができないため、家電や自動車のように同一商品をどこで買うかという比較ができないのです。
そのように考えると医療用ウィッグを安く買いたいけれど、安いメーカーはそれだけ品質も悪いのではないか、と思えてきてしまいます。高額の商品であればそれだけ性能も高く、廉価の医療用ウィッグは商品に問題があるのではないか、と考えてしまうのです。
この考え方はある部分で正解であり、ある部分では正解ではありません。
医療用ウィッグの価格がメーカーごとに大きく違う理由は
高価な医療用ウィッグを販売しているメーカーはなぜその価格で経営していくことができるのでしょうか。また、廉価な医療用ウィッグを販売しているメーカーはなぜその価格で医療用ウィッグを販売しているのでしょうか。実はそこには大規模な販売店のない産業独特のからくりがあるのです。
医療用ウィッグというのはそこまで大きな産業ではありません。家電や自動車などとは異なり、誰しもが利用するものではないからです。利用する人は傷病などで頭髪に何らかの問題を抱えている人です。そのため、全国的にみてそこまでたくさんの店舗があるわけではありません。そのため、一商品に対する価格には企業を維持していくためのさまざまな費用が含まれています。例えば店舗の維持費や宣伝広告費、人件費などがその価格に含まれています。販売される商品が、一般的で広く流通しているものでなければそれだけ、価格に対するそうした原価の割合というのは大きくなるのです。
医療用ウィッグの場合もその影響というのは非常に顕著です。大手ウィッグメーカーと中小のウィッグメーカーでは生産している工場が同じということもあります。生産するにあたって原材料費と生産にあたっての費用が変わらないにもかかわらず、ここまで大きな差がでるのはウィッグそのものの価格よりも、それに付随する費用の面での影響が大きいからなのです。
アンベリールのウィッグは何よりも、消費者の方が利用しやすいよう店舗の拡大を行わず、インターネットを中心に医療用ウィッグの販売を行ってきました。何よりも傷病で悩む方の力に少しでもなれることがわたしたちの望みです。