ウィッグ基礎知識
医療用ウィッグは医療費控除の対象になる?
医療用ウィッグの購入費用を少しでも軽減したい・・・
そんな思いから医療用ウィッグが医療費控除の対象にならないかと期待をされたかもしれません。
治療費や将来の生活費のことを考えると、医療費控除で負担が軽減されるととても嬉しいことですよね。
しかし、2019年現在では医療費控除が認められるケースは、かなり例外的なケースのみとなっています。
今回の記事では、医療用ウィッグと医療費控除について解説するとともに、最も経済的に医療用ウィッグを購入するにはどうすればよいかについて解説します。
医療用ウィッグは医療費控除の対象になるの?
医療用ウィッグは、2019年現在医療費控除の対象にはなっていません。医療費控除の対象となる医療用器具と併せて紹介します。
医療用ウィッグは原則、医療費控除の対象にはならない
医療用ウィッグには、「医療用」という言葉が付いているので、医療費控除が受けられるのではないかと期待してしまうものですが、原則として医療用ウィッグは医療費控除の対象にはなりません。(2019年7月現在)
抗がん剤治療中の方や円形脱毛症の方など、デリケートな頭皮の方が安心して利用できるということから「医療用ウィッグ」という名称はついていますが、直接的にがんや病気などを治療する器具ではないということから、今のところは医療費控除の対象としては認められていないということです。
医療用ウィッグの購入には健康保険が適用される?
医療用ウィッグに健康保険は適用されるのか疑問に思われる方は少なくないかと思います。結論から言うと、保険適用はされないというのが回答となります。
健康保険は病気やけがの治療などのためにかかった医療費に対して適用されるものですが、医療用ウィッグはこれに該当しないことがその理由です。
医療費控除の対象になる医療用具
医療費控除が適用できる医療用器具とは、具体的にどんなものでしょうか?参考までに紹介いたします。
医療費控除の対象になる医療器具の定義は、以下のようになっています。
「人や動物の疾病の診断、治療または予防に使用され、人や動物の身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的とした用具器械」
基本的な考え方として、医師から治療のために必要であると診断された医療器具であれば、医療費控除の対象となる場合が多いです。
例えば、コルセットや義手・義足などが該当します。原則は、治療や予防に役に立つということですね。
ただし、例外がないわけではなく、乳がんの方の乳房再建に関しては医療費控除の対象として認められています。
乳房再建は、「予防・治療」に関わる器具とは言い切れないものの、女性にとって乳房を失うと日常生活に支障をきたし、心理的にも大きな負担になるということから、医療費控除の適用が認められています。
医療用ウィッグに関しても、抗がん剤治療の精神的な負担の軽減や精神状態を良化させるために医師が勧めることが多い器具であり、髪がなくなることの心理的な負担は大きいので、将来的には控除対象になる可能性は0ではありません。
安く医療用ウィッグを購入するにはどうすればいいの?
医療費控除が受けられないなら、医療用ウィッグを安く購入する方法は他にないのでしょうか。
住んでいる自治体によっては、医療用ウィッグを購入するための補助金が申請できる場合もあるのでご紹介します。
補助金が適用される場合がある
近年では医療用ウィッグを使用している方へのサポートとして、補助金を出している地方自治体が増えてきています。
一例として佐賀県伊万里市では、がん治療を受けている患者さんに、かつら(ウィッグ)の購入費を上限15,000円まで補助しています。
抗がん剤治療の副作用に伴う脱毛によりウィッグを購入する方で、4つの条件すべてに該当する場合は交付申請書兼請求書・ウィッグの購入に関わる領収書の写し・がん治療受診証明書・がん治療受診証明書の取得に関わる領収書の写しの4枚を提出すれば補助が受けられます。
伊万里市「がん治療を受けている人のためのかつら購入費補助」
その他の自治体でも、がん治療に伴うウィッグの購入に補助金を支給しているケースがありますので、お住まいのエリアのウェブサイトまたは役場で確認を行ってください。
またがん治療に関わる保険商品について、ウィッグが必要になったタイミングで一定額のお金が還付される特約もあります。
アフラック「生きるためのがん保険Days1プラス 外見ケア特約」
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医療用ウィッグは消耗品としては高額な部類に入るものなので、地方自治体の補助金や保険商品の特約を上手に活用する方法も検討してみてください。
最も確実な方法はコスパの良いウィッグを購入すること!
国や自治体の制度が活用できないなら、「医療用ウィッグは高額なもの」と割り切るしかないのでしょうか?
しかし、中には高品質であるにもかかわらず安い医療用ウィッグもあります。
コスパの良いウィッグを選べば、確実にウィッグにかかる費用を軽減できます。
例えば、アンベリールの「シルフィ」の価格は、「スーパーハイグレードタイプ」(91,700円)です。これらの医療用ウィッグは、大手カツラメーカーであれば30万円以上で販売されている品質のものです。
大手カツラメーカーの医療用ウィッグの3割以下の負担ということになります。
費用が安い場合、耐久性やアフターフォローの体制が整っているか否かが心配になるかもしれませんね。
シルフィの「スーパーハイグレードタイプ」は繰り返しリペアができる高い耐久性を備えていること、宅配で随時リペアを受け付けている体制をとっていることから、耐久性やアフターフォローの心配も無用です。
安く購入して長く利用できることから、価格以上のコスパの良さを実感できる医療用ウィッグです。
短期での利用やまとまった出費を避けたい方はレンタルサービスも!
医療用ウィッグの購入によるまとまった出費を避けたい方には、レンタルサービスを利用する選択肢もあります。
医療用ウィッグのレンタルサービスとは、初期費用と一日あたりのレンタル料の負担で医療用ウィッグを短期間から借りられるサービスのことです。
例えば、アンベリールのレンタルサービスの場合には、以下の料金から医療用ウィッグがレンタルできます。
基本料金14,800円+150円×レンタル日数
以上の値段で新品のウィッグがレンタルできるので、一度にかかる負担を抑えたい方や一定期間だけ利用したい方にはおすすめのプランです。
医療用ウィッグのレンタルサービスについては「医療用ウィッグを実店舗で購入する際のメリット・デメリットとは」で解説しているのでよろしければ参考にしてください。
長く利用するために正しく使用することも大切
できるだけ医療用ウィッグを長く利用していただくために、一つだけ注意していただきたいポイントがあります。
全ての医療用ウィッグに共通して言えることですが、正しい使い方、保管をするということです。
具体的には以下の点に注意してください。
- ・型崩れを起こさないために、ウィッグを外している間はウィッグハンガーに保管する
- ・ブラッシングをする際には、ウィッグを傷めない医療ウィッグ専用ブラシを使用する
- ・汚れやにおいが気になってきたら、シャンプーをする(目安は1週間に1回程度)
- ・髪が少し傷んできたら、メンテナンスを依頼する(2~3か月に1度、美容院に行くような感覚で)
ウィッグは傷みや劣化が大きくなってからだと元に戻すのが難しかったり、寿命が縮んでしまったりします。
以上のような日常のケアを行うことで、長持ちします。そのためにも、シャンプーOKのウィッグ、メンテナンスの耐久性なども考慮してウィッグを選ぶことが大切になります。
保険適用にならなくても諦めるのは早い
医療用ウィッグは1つあたりの価格が30万円を超えるものもありますが、補助金や保険商品の特約による還付が受けられれば、安く購入することができます。
外見やファッション面を整えるものとして考えられているため、残念ながら保険適用とはなりませんが、ぜひ補助金などの活用も検討してみてください。