これから医療用ウィッグを選ぶ人に知っておいてほしいつむじのこと
自然な髪型を作り出すにはつむじや植毛部分が重要です。
私たちが普段毎日目にしている髪の毛。スタイルやセット、カラーなどに注目することはあっても実はそこまで細かいところに注意して見ているわけではありません。全体としての雰囲気は覚えていたとしても生え際や襟足、ましてやつむじを意識して見ることは少ないでしょう。そのため、ウィッグを見たときにつむじの部分に注視する人は少ないかもしれません。しかし、違和感のない髪型にはつむじは欠かせない要素なのです。
そもそもつむじがないタイプのウィッグ
ウィッグの価格はつむじの部分の作り方によっても上下差があります。例えばつむじの部分に特別な加工がされていないタイプのウィッグもあります。こうしたタイプのウィッグというのは特別な加工がされていない分、価格もお値打ちになっています。しかし髪の流れが明らかに不自然になってしまうため、長時間着用し自然な髪型を演出したい医療用ウィッグには不向きかもしれません。こうしたタイプのウィッグは安いファッションウィッグやパーティウィッグなどに使用されるものです。
つむじの部分をゴム質の素材で作ったウィッグ
“つむじの部分を特別にラバーで作ってあるウィッグも多くあります。そうした種類のウィッグというのは、全体の髪の流れに適するようにつむじの部分の髪の毛が植えられています。
つむじの部分は外から直接見えることになります。その部分にゴム質の素材を利用することによって自然に見えるつむじを表現しているのです。左右に分ける髪型の場合には前後に長いラバーが、一点を中心に広がっていくような髪型の場合にはその点を中心とした丸型のラバーが使われています。
毛髪は機械によって数本単位で植えられており、つむじのないタイプと比較するとかなり自然な出来栄えになります。しかし毛が複数本まとめて植えられているため、自然な毛髪と比べると若干の違和感を覚えるかもしれません。
植毛部分にネットを利用したウィッグ
もちろん人の手で自然になるように一本一本髪の毛を植えているものもあります。人手がかかっている分価格は高くなりますが、その分自然な出来栄えになっています。そのつむじの部分に機械製のものと同じようにラバーを利用しているものもあります。またより自然な出来栄えになるようにつむじ部分をラバーではなくネットを利用して作られているものもあります。
ネットを利用してつむじを再現しているものの場合、ラバーで作られているものと比較すると頭の形が自然になり、髪型もより立体的になります。髪の毛を植えるネットの部分が広範囲になればなるほど、その価格は高くなります。しかし、髪の毛が生える部分が多くなる分、立体感も増し、より自然な髪型に近いウィッグが出来上がります。
ウィッグは安いものから高いものまでさまざまなものがあります。より良い素材を使い、手間暇かけて作ったものほど自然な髪型が出来上がり、また使用感も良いものとなるのです。